Sunday, March 15, 2009

パラリーガルという仕事(続き)

というわけで続きです。

どこから始めようか悩むところですが思いついたことをつらつらと。

私はパラリーガルです。
と言ってみることにします。

最近翻訳よりもパラリーガルの仕事が増えているので言って大丈夫でしょう。
そもそも雇った意図も目的も役割も明確ではなかったので自分の立場を確立するのも難しかったように思う。
今やっと色んなことが少しずつ見えてきてそう思う。

ちなみに日本では特許事務をやって後、特許翻訳をやってました。
アメリカでは特許訴訟のパラリーガル。
おかげで日本での仕事の知識フル活用。

パラリーガルとして仕事をしたい、と言って日本で勉強して大きな期待感を持ってアメリカ入りしてみる。
しかし現実に見るパラリーガルの仕事は本当にくだらない。
期待を大きく裏切られる。
そんなこと、パラリーガルコースでは一度も言わなかったぞと小学生みたいな言い訳で人のせいにしてみる。
しかも学んだこと一切使えてないし。と新卒の大学生みたいな文句を言ってみる。

くだらなさを言えばきりがない。以下、litigation paralegalの仕事の一部。
朝まで何10箱もある書類がちゃんと前頁そろってるか確認
弁護士7人のためにバインダーを作る。そのために目次を作成、これまたページの確認
何万ページもある書類のタイトルや日付をリスティング
相手方に送る書類へのカバーレターの作成、発送
エクセルと格闘
夜中まで数学と格闘(金曜の私)

あのーこれで専門スキルは身に付くのでしょうか?

こんなことを言うのには多分2-3個理由があります。
これを整理して言うのが難しいので始めるところを悩みました。

最近のトレンドなのか何なのか、私が勉強を始めた2、3年前よりパラリーガルの勉強をアメリカでしたい!
みたいなことを言ってる人(日本人)が増えてる気がします。
と言ってもmixiでの話ですが。
そういった投稿が増えている。
どの学校がいいですかねぇ?とか聞く人が増えている。

同じようなことを考え、通ってきている身としては何か言いたいと思う。
というか言いたいことは山ほどある。
私も一度mixiで質問してみたことがあって、
「どれくらい資格みたいなんは役に立つんですかねぇ?」みたいな、
そのときにあんま役立たんよ、みたいなことを言う人がいた。
英語をどれだけ聞き逃さんか、とかその方が大切、みたいな。

はっきり言ってそのときは聞き逃すわけないやんけ、とそのポイントは全く無視やった。
はっきり言って無視したんは間違いなかった。聞き逃しでトラブルに陥ったこと未だ一度もなし。
逆に現地人の方がそれで評価落としたりしてる。まぁそれはおいといて。

パラリーガル学校に行くことについて。
役立たんよ、とは言いません。
でもめっちゃ役立つよ、とも言いません。
日本で秘書とかアドミの仕事を長年してた人なら必要ない気がします。
あと、言うまでもなく日本で法律関係の仕事に従事していた人。
医療関係も強いかもと思います。語学できる人もいいみたいです。
だから日本語できてアメリカで働こうって時点で大概クリアです。
コンピュータの基本スキル、そして応用スキルも大切なようです。

最近しみじみ思うんは何か人より長けてるスキルがあるということが強みになるようだということ。
例えばエクセルめっちゃ使いこなせるとかマイナー言語理解できるとか、うちは特許やから理系の大学出てるとか。

そういう人は自然と頼りにされて、上に挙げたようなサル仕事の率が減ってくる。
そしたら自分で采配振るえるようになってものごと見えるようになって仕事も楽しくなってくる。

結局何が言いたいんかと言うとパラリーガルになるために2年も4年も大学に行くのはちょっとお金と時間の無駄では?ということ。
それなら別の専門で勉強しつつ学位を取得し、パラリーガルコースを取る方が絶対もっと多くの扉への入口が開ける気がする。

私には今日本語しかなく、あと大学出てから今まで特許業界にずっとおるということしかないので正直行き詰っている感がある。
このままロースクール行っても理系の学位とかないから特許には深く関われへんやろうし、また1から別の分野でやるしか弁護士としての道はないのか…みたいな。
それが仕事辞められない理由の1つ。
今のご時世いつクビになるかもわからんけど。
若かりし頃の自分の選択を悔やむ。
しかし悔やんでも戻るわけでもなく、今あるもので勝負するしかない。
そして今あるものを発展させて力つけていくしかない。

ロースクールまで行ってまたパラリーガルってのもなぁと思うし。
実際そういう人はうちの事務所にも何人かいる。
入る時点でやっぱり少し給料や立場の優遇はされるみたいだが、仕事内容は同じ。

色々書いてるけど今の仕事に不足なし。
比較的楽しくやっていると思う。
若い弁護士とのやりとりも楽しいし。
若いなー元気やなー
と思う。
若い人が集まって仕事すると半ばじゃれ合いな感じになる。
しかしみなさん賢いのわかるしそういうのが心地よいね。

あと、パラリーガルの勉強が役に立った、と思うのはライティングのコースは絶対。
ライティング力上がったのわかるし、最近また忘れかけているのでもう1回ちゃんとやってみようと思う。
あとはたまに習った法律用語が出てきて書類とかにも触れてあーこれがあそこに当てはまるのかぁ
とかいう気付きがあったりする。
論理力のトレーニングみたいなんもあった気がするけど、私はコースを仕事しつつ取ってたからその力が仕事で身に付いたものなのか授業で身に付いたものなのかはわからない。
ただ、教科書読みつつ、あーこれは仕事でもやってるし。と思ったのは覚えてるし、日本での仕事スタイルはこちらでも通用している。ということは言える。
まぁあとは履歴書映えよし?やる気見せる証にはなるよね。

何が言いたかったのかというと、
「パラリーガル」だけじゃなく人よりちょっとでもすごいものを持ってた方が「パラリーガル」としての仕事につながり、楽しさも倍増、ということ。

これは人数多い事務所におるからかもしれんけど。小さい事務所だともう少しパラリーガルの責任も重くなるみたいやし。うちは基本裁判所に提出する書類の作成とかは触らせてもらえない。

まぁそれで、金曜の夜は例のごとく夜遅くまでがさがさ仕事してたわけです。
そしたらもう帰ったと思ってた人がまだいた。
まだいるし!
って突っ込んだら今にも泣き出さん感じでグチられた。
要はえらそうな弁護士のためにイヤと言えず必死に仕事していたよう。
そして何もかもがうまくいかんくなって投げ出していた感じ。
なぜあなたは毎日同じぐらいの時間仕事してるのにそんな涼しい顔してるの?
どうしたらそう居れるん?
と聞かれる。

…わからん。
しかもこれでもそれなりに悩んだりしている。

その人はI'm too niceと自分のことを言っていたが心の中で私は
I'm too niceと人に思ってもらいたいからノーと言えないのでは、
と思ったりした。よほど言おうかと思った。意地悪か?
大学出て2年目くらいでそんなん言われたらショックか、と思って黙っていた。
というか私ならショックだったと思う。
たぶん私も同じようなことで悩んでいてしんどかった時があった気がする。
でもどうして克服したか忘れていた。そんな自分にびっくりした。
肌荒れたりしたのにさ。
見ていたらその人も今そんな限界状態。

おかげさまで私は人間関係でそこまで深く悩むことなし。
指示してくる人はみんな良い人やし、(ほとんどないに等しい)私生活も尊重してくれる。
あとはちょっとしたたかになった?と思ったりもする。
イヤな奴でもどうしたら振り向かせられるか、とか常に考えてる気がする。
パラリーガルを人間扱いしない、というか弁護士がすべてを動かしてると思ってたり
上の人の顔色ばっかりうかがってそのためなら無茶な要求を突きつけてくる嫌な弁護士もおって、
「けっ」とか思いながら仕事するんやけどそんなことはこちらもプロフェッショナルやから表に出さない。
そして仕事は差別なくちゃんと仕上げる。やりすぎというぐらい仕上げる。落とし穴も設ける。
これが必ずしもうまくいくとは限らない。
それでも無価値な仕事と思ってる人には通用しない。
しかしこれで網に引っかかってきたらしめたもの。そこから本当の「関係」が始まるのです。
こいつできる、と認めさせたら多少こちらの無理も聞いてくれるのでやりやすくなります。
なので私にとって頼まれたもので「くだらん仕事」というのは1つもない。
くだらん仕事を挙げてからそう言うのも何やけど。
最近の新卒は仕事内容の「かっこよさ」で物事を判断しすぎだ。それこそくだらん。
かっこいい仕事なんて何年やっててどれだけあるねん。教えてくれ。

と抽象的でわかりにくいが、たぶん
与えられた仕事を与えられたままにこなすのではなく常に何か足してやろう、という姿勢で臨むことが仕事が楽しいと思える要因になるのでは、
と思うのです。

そして最後に。
今日暇で外に出ればよかったのですがそういう気にもなれず、めっちゃネットサーフィンしてました。
そしたら言葉は忘れたが、とにかく、
人間の価値は金や名誉じゃなく、愛ではかられる、みたいな言葉を目にしました。良い言葉ならひかえとけよ、って話やけど。要は愛がなければ人間やっていけないよ、みたいな。

私は単純にあー結婚して来てよかった、と思ったのですが、最近結構そういう場面に出くわすこと多いから思ったんやと思う。

職場で1人の人は一緒に暮らしていた人と別れ、
もう1人はちょっと前に出会った人が実は別の女性とも会ったりしてることが判明し、
もう1人は出会いがないと嘆いている。

どの人の話を聞いても私はもう早く踏ん切りつけなさい!
と思う。

そのことしか考えられない彼女たちを見ると人間それしかないのかいねー
とも思う。
だってそのことで頭がいっぱい。

言葉悪いけどそういうこと考えんでもいい私は結婚しててラッキーみたいな。
果たして結婚してなくても考えるかはナゾやけど。基本あんまり興味ないから。
お金といっしょで縁やから。←それもおかしい話か?

というわけでパラリーガルに必要なものその3
「愛」。

これは男女の愛じゃなくてもいいと思う。
家族とか、とにかく心のよりどころにできる存在やね。

パラリーガル云々というより人間としてのバランスをいかに保つか、
みたいな話になったけど、そういう意味では何するも同じか?
どういうマスク(?)をまとってるかというだけで。

わがままかもしれんけど、
人にコントロールされへんためにどれだけバランスよく力をつけていくか、
と今の時点で仕事をしていて私は思います。
だいぶ自分の好きにできるようになってきたのでたまに人の指示のもと仕事せなあかん時に
苛立つ自分がいるけど、そういう時は自分のおかれてる立場を改めて自覚して傲慢にならんようにする。
しかしわがままになってる自分に気付く。気をつけねばと思う。
職場にはあるが基本「フリーランスパラリーガル」と自分のことを思っているからかもしれない。
「組織が私のために何してくれた!」って思ってるからな…それは今の監督者に不満があるからで。
でもその人個人の人格を否定しても仕方がなく、能力不足ということで割り切っている。
そして能力がない人を置いておく会社が一番悪いと思っている。
ちょっと前までは上下を気にしていたが、飛び越えてでもうごかなあかんことがあるという状況に最近よく出くわす。
それで関係が気まずくなったりして気にしていたが、仕方ないと思うようになってきた。
それとその人の人格とは別物。
大人になったなー

と、だんだんだらだらひとり言のようになってきたけど、
基本私は今の仕事における自分の責任の範囲に満足していて、
今まで培ってきたものも役立てていけてますよー
まだまだ学ぶこともたくさんありますよー
あとは、こんな感じで仕事してますよー
ということがわかっていただければ目的達成です。

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